宇宙関連巡礼の旅 - Weblog版 - はやぶさ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ
にほんブログ村

林紀幸さんからの手紙

元・宇宙科学研究所の技官であった林紀幸さんから以下のような文章を頂いた。
Blogなど持っているなら掲載して欲しい、と。
以下、そのまま掲載します。いただいたのは一太郎のファイルでしたのでコピペしてますが、文章はそのままです。

▼以下掲載▼

東映映画  「遙かなる帰還」 を見て

 人工惑星「はやぶさ」は何だったのだろう・・・  全く同じ題材で三つの映画会社が競作すること自体今まで聞いた事もないような気がする・・・そして2012年2月5日朝日新聞の「天声人語」に曰く・・

  ・・・ 東映製作の「遙かなる帰還」に感慨を新たにしたとある・・・

朝日新聞が協賛しているのは理解できるが・・この変貌ぶりは何なのだろう・・

糸川英夫先生の批判から辞任まで朝日新聞の一連のキャンペ-ンは・・東京大学という内部・糸川研究室に居た私たちにとって・・言語に絶する問題であったように思う・・

当時私も含め糸川研究室に在籍していた面々は「そのことについて」一度も議論したことがない・・・普通・糸川先生が居なくなればいろいろ不安材料が出てくる・・しかし今にして思えば・・一度も不安に思ったことが無かったように思える・・そのようなことを口にする人もいなかった・・・

・・・当時トップにいた先生方たちからも何の説明もなかった・・

突然糸川英夫先生が消えた・・宇宙研から・・ただそれだけのこと・・・

今にして思えば・・当時の東京大学宇宙航空研究所の組織は糸川英夫先生が考えたレールにすでに乗って走り始めていたのである・・・一つお断りしておくが・この文章に「思う」・「思えば」とか抽象的表現が多いのは私林紀幸の個人的思考からこの文章を書いているのであって・・・まさに「今思えば」であるから・・

 その後宇宙研の発展は歴史が認めることであり・・あの朝日新聞ですら・・事実を・・正確に伝える「術」を理解したのである・・「人」は百人居れば百通りの考えがある・・

でも世界には「進むべき」道を創る人たちが居る・・・

 糸川先生が居なくなってから私は宇宙研に30年以上勤務したことになる・・そして曲がりなりにも無事に定年退官を迎え今に至っているが・・あのような心地良い空間は何だったのだろう・・実は私のわがままや・言動にじっと耐え続けた人たちのおかげだったのではないか?・・・「ロケットまつり」の松浦さん・笹本さん・浅利さんはそれはそうですよと・即座に笑顔で答えるように思う・・今はそのような私に対するすべての批判もさらりと受け流すことが出来るが・・・当時の人たちは批判すらすることの出来ないほど「ピリピリ」の状態だったのだろう・・

・・・もしかすると唯一ある糸川先生との共通点ではないか?・・・

 何か趣旨が外れてしまったようだ・・私は2012年2月3日東映映画「遙かなる帰還」を見て思わず暗い映画であると思った・・・映像自体も暗めだが・・内容も暗い・・

私の在職した宇宙研は・・何はなくとも明るさだけはあった・・実験に失敗しても苦虫噛みつぶした顔をしている人はほとんど居なかった・・なぜ・・それは常に前向きだったから・・主人公は常に眉間にしわをよせ・・女性の新聞記者は離婚の子連れ・・その父親の会社は経営不振・・娘が離婚したことも知らない・・どこにこの「はやぶさ」の目的を見据えようとしたのか?理解に苦しむ・・特に内之浦の飛翔の場面・・現場に居た父親を見つけても声をかけない娘・・物語にしたかった監督の気持ちは解るが・・人々を元気にするコンセプトはどこに行ったのか?・・

 多分映画としての出来映えは私などがとやかく言えることではないが・・こんな暗い世の中で苦難を乗り越え帰還した「はやぶさ」を光らせたいばかりに・・物語を暗くして・最後をヒューマンに仕立てたかったか?・・でも・・この設定はある意味失敗・・

42年間宇宙開発の人たちと進んできた道ははこんなに暗い社会ではない・・・

 ロケット開発苦節57年?・・・常に新しいこころみは失敗に見回れ・・それを乗り越える喜びと・・それに反する苦しみも十分味わされてきた・・しかし誰れ言うともなく誰一人仲間を批判することもなくこの年月を過ごせたことは・ロケット開発にとって賞賛されるべきである・・・

 常に前向きに・・常に明るく・・常に新しい物を求める精神こそ大切なことである・・

私は「失敗は挫折ではない」と思う・・もしかするとチャレンジしている人たちの勲章かも知れない・・・たとえ今・つまずいても来るべき未来には必ず必要になるスッテプかも知れない・・今はそう信じて進むべき道を見いだすべく・・・

 宇宙科学研究所は今世界から「世界一の研究所」と言われている・・・何故・・・

それは日本に「糸川英夫」という人が居たからだ・・・本年は糸川先生生誕百年・・・そして糸川先生の求めたものは「戦中を生きた」人たちだけに理解できる・・科学を通じて自由とともに明るい社会で生活していける毎日だったのではないか?

・・・今にして思うに想像にするだけであるが・・・

2012・2・8

林  紀 幸

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

「はやぶさ」映画を見るにあたって

はやぶさ」の映画が3本並行して製作され、順次公開になる。日本どころか世界を見たってこんなことは今までなかったくらいの出来事なのだから、NASAもびっくりな状態だ。

だか、気になることもある。映画の出来ではなく、それを見る側、いわゆる「マニア層」の発言だ。

映画に限らず、テレビにせよ小説にせよ実在する事象を題材にした場合、誇張や追加要素などが入るのは当たり前であり、事実との相違や解釈の違いなんかも当然のように発生する。
これは、その映画を見せる(魅せる)側としては当然のことであり、映画館へ行く人全員が「はやぶさ」を知らないことを前提に組み立てるからだ。

それは、FOX版「HAYABUSA -はやぶさ-」でも、東映版「はやぶさ 遙かなる帰還」でも、松竹版「おかえり、はやぶさ」でも同様だ。

「フラガール」という映画をご存知だろうか。これは常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾート・ハワイアンズ)設立を描いた映画である。内容は省略するが、これも事実を基にした映画である。
登場人物の名前の変更から始まり、実際にはなかったことが追加されていたり、誇張や場面転換などいくつも見られるが、そんなことは関係なく「映画として完成度が高い」ことが重要なのだ。
「フラガール」に関して言えば、その先もある。映画を見た人が「スパリゾート・ハワイアンズに行きたくなる」ことも重要なのだ。私の世代だと、夏休みの家族旅行で行ったことがあるという人が多いのだが、「子供が小さい時に連れていったっけなぁ」や「子供の頃に連れていってもらったなぁ」という思い出から「もう一度いってみようかな」に転化できるかがポイントなのだ。

かつてNHKのプロジェクトXでハレー彗星探査機の話を描いた時があった。関係者やマニアの評判はまぁ言わずもがな、だった。しかし、何も知らない人にとっての入り口としての完成度で見た場合どうだったのかといえば、よくまとまった内容だと思う。プロジェクトXは事実をそのまま描くのではなく「わかりやすくエンターテインメントとして描く」番組だったのだから、それはそれで正しい描き方だったと思う。少なくとも、この放送後に興味を持った人がいたということだけで十分成果があったと思わなければならないだろう。

話を「はやぶさ」映画に戻す。
どの製作会社にせよ事実と違う部分は出てくるであろう。「はやぶさ」をよく知る人たちにとっては気になってしょうがない部分はあるだろう。だが、そこを指摘してああだこうだ言って映画の評価をするのは遠慮してほしい。

ニュースでは知っていたけれど、詳しくは知らない人、ニュースさえ知らないが話題になっているから映画を見に行こうと思う人が多いのだ。そういう人たちが事前情報でマニア層の重箱論に触れた場合どう思うのか考えてみて欲しい。たとえば、自分が見に行こうと思った映画の事を重箱の隅をつつかれた文章を読んでしまったらどう思うか、それを考えて欲しい。

いわゆる「マニア層」がすることは、違いを指摘して映画を批判することではない。この映画3作品をみて「はやぶさをもっと知りたい」と思った人たちを暖かく迎えてあげること。そして宇宙科学全般に好意を持ってもらい「ファン・マニア」へと導いてあげることだ。その過程で映画と事実の差異を教えてあげないと、深く理解させることができないどころか「こんなウザいならもういいや」になってしまう。それではいけないのだ。

だから、どうか事実と違う部分への批判はやんわりとやりすごしてほしい。今我々宇宙マニアに足りないのは、国民の支持と理解なのだから。これを拡大のチャンスとして利用して理解者を少しでも増やしていかないと、将来の宇宙科学への投資が減るだけになってしまう恐れだってあるのだ。決して大げさなことではないと思っている。

知識云々をからっぽにしてから映画は見るものだと思う。そうでなければ楽しめないよ。

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ
にほんブログ村

やっぱり出たか『はやぶさ捏造論』

 成果が大きい宇宙探査には、捏造説が必ず出てくる。アポロ11号以降の月面着陸が捏造だという、Moon hoax説は有名なところだ。

 今回、「はやぶさ(MUSES-C)」も捏造説が出たことで、ビックプロジェクトの仲間入りをしたという意味では、宇宙探査史に残る偉業だったということだろう。

 まぁ、内容に関してはどーでもいい。ちょっと調べればわかることを、自分の知識だけでは理解できないから、なにかと理由をつけて捏造にしようとしているだけだ。

 いつもこの手の捏造説に抜けていることがある。『そんだけの捏造をするのに、いくら予算が必要なんだよ』と。「はやぶさ(MUSES-C)」の総予算よりも、捏造し、今後それを隠し続けるコストを計算したことがあるのか、と。
 JAXAは全世界を騙さなければならないのだから、地球規模での捏造と口封じが必要だ。だが、やろうと思えば、どこの宇宙機関だって「はやぶさ(MUSES-C)」の位置と、そこから出される電波くらい分かる。捏造だとすると、そういうところから騙す必要があり、それを口封じさせるのにどれだけの労力とコストがかかるのか、口封じしなければいけない人間はどれくらいの規模なのか、ちょっと考えれば不可能だってことくらいすぐにわかるだろうに。
 だいたい、NASAやESAだけじゃなく、中国も含まれるわけである。中国は独自に進めている部分が多く、そんな機関が捏造に加担するだろうか。だいたい捏造していたら、韓国が黙っているとも思えないでしょ。
 旧ソ連は捏造というよりも、失敗したことを隠し、成功したことだけ発表して技術力の高さを謳ったので、ちょっと事情が違う。さすがに捏造したところでNASAやCIAに隠せるわけないしな。

 捏造するくらいなら、実際にやったほうが予算もかからないし、捏造し続けるより簡単なんだよ。
 もう一回月に行けというが、予算くれればNASAは喜んでいくよ。
 日本だって、予算が出ればやるよ。そんなもんだ。

人類の月面着陸は無かったろう論人類の月面着陸は無かったろう論
(2004/06/21)
副島隆彦

商品詳細を見る

人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート
(2005/11)
山本 弘江藤 巌

商品詳細を見る

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ
にほんブログ村

はやぶさ2は飛び立てるのか

 この3連休、テレビなどのメディアでは『はやぶさ(MUSES-C)』関連の放送がいくつかあった。いままでの経験上、運用が終わった衛星や探査機がここまで報道され続けるというのは記憶にない。『かぐや(SELENE)』にしても、企業間で応援団を結成した割には収束は早かったからだ。
 なぜここまで『はやぶさ(MUSES-C)』は人を惹きつけるのだろうか。そんな視点での番組構成が多いのも特徴であり、これを機会に宇宙に目を向けた人がいかに多かったのかを知るにはちょうどいい機会にはなっただろう。

 どこの番組でも『はやぶさ(MUSES-C)』後継機の話が最後に出てくる。事業仕分けで予算ぬんぬんというのもついて回るわけだが…。

 先日、イプシロンロケットと同じ日に『はやぶさ2プロジェクトについて』という内容で宇宙開発委員会に書類が提出された。いままでアナウンスされてきた内容と変わらないが、この時期に提案されたということの意味は大きいと思う。

 ただし、『はやぶさ2』は"研究開発段階に移行したい"という内容である。これは、基本的な設計は終わったので、実物を作る前の研究に移行したいのでお願いします、ということだ。同日に提出された『イプシロンロケット(次期固体ロケット)』は"研究開発段階が終わったので実際に作らせて欲しい"という内容であるから、まだ実際に製造できるかという話ではないことに注意したい。

 新聞各社、予算に関してはH-IIA込みで270億円という数字が出ている。おおさっぱに言えば、探査機170億円、H-IIA100億円だ。ちなみに、M-Vは64億円くらいですが。
 H-IIAの打ち上げ価格は今まで三菱重工が発表したことはなく、想像と伝え聞くところによると100億円くらい、というような感じだったのだが、今回明確に報道されたことでだいたい合っていたというオマケまで付いた。
 
 JAXA内部での順位争いに負けつつあった状況から、"9回裏2死満塁で打球を打ち返した"ところまで戻してきた。これがホームランになるのかファールになるのか、はたまた平凡なフライでアウトになるのか、まだまだ微妙なところではあるのだが、とにかく、今までの状況から考えればずいぶんと進展したと考えていいだろう。このまま無事に審査を通過して欲しいものだ。

 ところで、『はやぶさ2』の開発コードはどうなるのだろうか。
 MUSESシリーズは工学試験機の開発コードであるので、次は使わない。惑星探査にはPLANETという開発コードがあるが、小惑星探査はPLANETでいいのだろうか。確かに小惑星には"Planetoid"という単語もあるのでPLANETになるが、どちらかというと"Asteroid"のほうが馴染んでいる。しかし、宇宙研の衛星にはASTROシリーズもあるので間違えやすそうな気がする。
 となると、原始天体="Primitive Body"だからPRIMシリーズとかになるのだろうか。細かいことだけど、ちょっと気になる。


探査機はやぶさ7年の全軌跡探査機はやぶさ7年の全軌跡
(2010/07/27)
不明

商品詳細を見る

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ
にほんブログ村

MUSES-C『はやぶさ』は帰ってきた。次は…

 MUSES-Cはやぶさ』は7年の航海を経て地球に帰還した。詳細は報道された通りなので、ここであえて書く必要はないだろう。

 だが、忘れてはいけないことがある。『はやぶさ』はMUSES-Cという名前の通り「工学実証機」だ。今回の全ての工程は、確実に動作する宇宙探査機を製造するために実施された工学試験だからだ。ただ、日本は単に「試験をします」では予算が獲得できない。だから試験機なのに観測ミッションが相乗りすることになってしまう。いい言い方をすれば"せっかく行ったのに観測しないのは勿体無い"とでも理由付けておきますが。

 だから、カプセルの中身が入っているかどうかは別問題。目標の小惑星に向かい、ランデブーし、試料をサンプリングし、地球に帰還し、カプセルを投下、回収する。この一連の流れが達成できただけで大成功なのだ。不具合があった部分こそ試験機である証なのだ。

 だから、次を行わなければならない。本番である『PLANET』型番を与えた探査機ミッションを行う必要がある。今なら『はやぶさ』で得た教訓も運用手段も裏技も全て手の中にある。風化する前に、今一度ちゃんとミッションを立ち上げる必要があるのだ。

 技術の継承は、書類や設計図だけではダメ、ちゃんと人から人に手渡しで伝える必要があるのだ。ほんの数年前の技術ですら継承されずに製造できなくなっている現状を見れば、いかに継続性が重要かがわかるだろう。

 止まったら、それは衰退を意味するのが技術だ。常に進んでも停滞と変わらない、革新的な技術を開発してこそ進化といえる分野なのだ。こんなところで止まってはいけないのだ。

 『はやぶさ』だけではない。技術立国としてこの先も進んでいくのなら、成功失敗という単純なことだけではなく、チャンスを与えることが宇宙開発ではないだろうか。

 MUSES-Cはやぶさ』は成功した。それが今回の事実であり、全てである。

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ
にほんブログ村

プロフィール

おかざー

Author:おかざー
"馬車道Groove."代表らしい。
宇宙関連の同人誌を出したり、打上げや施設見学いったりしてます。

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSS
アクセスカウンター
twitter
今日は何の日?
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。