宇宙関連巡礼の旅 - Weblog版 - 2009年11月

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ARCA Helen 打ち上げを2010年春に延期


©ARCA
 ルーマニア航空宇宙協会(ARCA)が計画し、打ち上げ作業を行っていた『Helen』が、再度打ち上げ延期をアナウンス。

 何度かの延期を行った後、いよいよ打ち上げを実施していたが、バルーンを膨らませる段階でトラブルが発生、ダイバーによる復旧は成功したが気球を膨らませるのに必要な太陽光が日没時間との関係で不足すると判断され、打ち上げ作業を中止し、回収作業をおこなったとのこと。

ロックーン式というだけでも珍しいのだが、バルーンも太陽により温められた気体を使う方式というのが、なんとも素晴らしい。

 この時期の黒海は1年のうち一番気候が安定しないので、天候を見ながらの作業だったが、バルーンを一度使った後のリカバリはすぐにはできないようで、一回港に戻る必要がある。そうすると、年末を迎えてしまうので、日程を来年の春まで大幅に延期したということです。

 日本でも糸川先生が研究していた技術ですが、やはり気球がネックだったようなので、このHelenもそこをどうクリアしていくのかが問題なんでしょうな。

 来年の春、またお会いしましょう。

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MUSEC-C「はやぶさ」復活


©ISAS / JAXA

 先日、イオンエンジンのトラブルで帰還が危ぶまれていたMUSEC-C「はやぶさ」ですが、今日の18時にJAXA東京事務所において記者発表が行われた。
 記者発表ということで、いよいよ最期かという考えも頭をよぎったが、そこは宇宙科学研究本部のことだ、なにか目処が立ったので記者発表を行う可能性だってある。

 記者会見開始とほぼ同時にプレスリリースの配信、メルマガ配信と事前に準備は整えていたであろう状況だが、その内容は、はやぶさマニアでも驚愕の内容だった。


小惑星探査機「はやぶさ」の帰還運用の再開について
平成21年11月19日
宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)は、平成21年11月9日にご報告いたしました、小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジンの異常について、その対応策を検討してきました。その結果、今後の運用に対する見通しが得られましたので、イオンエンジンの状況を注視しつつ帰還運用を再開することとしました。

 JAXAでは、4つのイオンエンジンについて、中和器の起動確認や流量調整等を実施してきました。その確認作業において、スラスタAの中和器とスラスタBのイオン源を組み合せることにより、2台合わせて1台のエンジン相当の推進力を得ることが確認できました。

 引き続き慎重な運用を行う必要はあるものの、この状況を維持できれば、はやぶさの平成22年6月の地球帰還計画を維持できる見通しです。

 今後もはやぶさの地球帰還に向けて、注意深く運用を続けてまいります。運用状況については,適時報告いたします。


 まずもって、運転再開に拍手を送ろう。
 しかし、この妙案ともいえる方法でイオンエンジンの運転が再開できてしまうロバスト性能は並みじゃない。記者会見で、新聞記者が「この回路はイオンエンジンのトラブルを想定していたものなのか」という質問に対して、國中先生は「そうです」と答えている。なんだその回路設計は、いや、設計ではなく思想か。

 別々なスラスタにある中和器とイオン加速器を使えるように、あらかじめ回路を組んでいたということ自体、衛星や探査機の設計の奥深さとノウハウの蓄積を感じる。ワンチャンスしか与えられない宇宙研時代の探査機は、何があっても動かなければならない。それならば考えられる保険をどれだけ実装できるかとう部分も相当あるに違いない。まさに「真田回路」である。

 さぁ、これで当面の目処はついた。来年の3月まで無事に動き続けてくれ。


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MUSEC-C『はやぶさ』 イオンエンジン停止

P-043-15265.jpg
©ISAS / JAXA

 もう、多くの方が書かれているので細かくは伝えませんが、とうとうイオンエンジンのスラスタが言うことをきかなくなっているようです。

 予定のミッション期間を大幅に超えているし、耐用時間も未知の領域とくれば、壊れないように祈るしかない状態だったのはすぐに想像できる話だ。

 今回の第2期軌道変換、実は2つのイオンエンジンスラスタが必要だった。そのうち使えるのがスラスタC,Dであり、今回そのDが沈黙してしまったのだから、このままでは変換速度が足りない。

 スラスタAは、どうも電気系統の影響で、他のスラスタが稼働中での運用はできないらしい。今までずっと、出力が不安定だから予備機になっていたのかと思ってたら、実際は違うようで。そうなると、ますます今回のトラブルはクリティカルになる可能性が高い、いや、参ったね、こりゃ。

 でも、ISASの人たちは『こんなこともあろうかと』by 真田さんなので、きっとアレコレ考えているのだろう。ただ、アニメと違って、万全ではないということだ。

 現在、MUSEC-Cはやぶさ』は、火星近傍を航行中。ああ、また火星か。どうしてISASの探査機は火星との相性が悪いんだろう。
 のぞみ姉さん、近くにいたら妹助けてあげてください。


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ARCA Helenロックーン 打ち上げ体制へ

 Google Lunar X PRIZE参加中のルーマニア航空宇宙協会(ARCA)が開発したロックーン(Rockoon)の打ち上げ体制が整っている。

 いきなりこう書かれるとわからないことだらけだと思うのでちょっと説明します。

 まず、"Google Lunar X PRIZE"とは、エックスプライズ財団(X PRIZE Foundation)が運営し、Googleがスポンサーとなって開催されている『民間による最初の月面無人探査』を競うコンテストの名称です。エックスプライズといえば、民間による最初の有人弾道宇宙飛行"Ansari X PRIZE"も開催し、『スペースシップ ワン』によって達成されたことは記憶に新しいのではないでしょうか。

 このコンテストは2014年12月31日まで行われ
■2012年12月31日までに月面に純民間開発の無人探査機を着陸
■着陸地点から500m以上走行
■指定された高解像度の画像、動画、データを地球に送信
 この条件を満たした最初のチームに賞金2000万ドルが贈られる(ただし、2012年12月31日以降に着陸した場合、賞金1500万ドルに減額)。
 このほか、アポロ計画で使用された機器を発見するとボーナス賞金が出たりする、なんともスケールの大きい話。

 そのコンテストに参加しているチームの1つがルーマニア航空宇宙協会(ARCA)で、ARCAが開発したのが『Helen(ヘレン)』である。
 月に行く輸送手段としては多段式ロケットを用いるものだが、ARCAは発想がユニーク。なんとロックーン方式なのである。
 ロックーンとは、気球で上空までロケットを吊り上げてから上空で点火する方式のこと。実は日本の東京大学生産技術研究所AVSA班、糸川先生もベビーロケットと平行してロックーン方式も開発していたのはあまり知られてない。K-8型と比較してコスト面であまり差がないことから、カッパロケットを中心にしていったそうだ。

 まぁ、あまりピンとこないと思うので、ARCAが公開しているHelenの打ち上げシーケンスCGを見たほうが早そうですね。


 どうです、これ面白いでしょ。1段目が一番上で引っ張り上げるという、ほんまかいな、と。
 でも、もうすぐ打ち上げ実験が行われるのだから、ARCAは本気です。本来なら10月30日(日本時間)に打ち上げられる予定でしたが、黒海の天候不順で未だに打ち上げられていません。11月4日(現地時間)の情報では天候次第ということで未定のままです。きっちりとした情報がARCAのホームページしかありませんので、どうなっているのか判らないんですわ。

 果たして打ち上げは成功するのでしょうか。多段式ロックーン、あなどりがたし。


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おかざー

Author:おかざー
"馬車道Groove."代表らしい。
宇宙関連の同人誌を出したり、打上げや施設見学いったりしてます。

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