宇宙関連巡礼の旅 - Weblog版 - 内之浦か種子島か(2)

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内之浦か種子島か(2)

©JAXA

 昨日の続きで、内之浦宇宙空間観測所(以下、USC)と種子島宇宙センター(以下、TNSC)のどっちにするの、射場問題です。

 まず、種子島側の言い分をよく読んでみると、TNSCの一極集中論になっている。
 打ち上げ射場は少なくとも2ヶ所以上に分散させることが望ましい。できれば打ち上げロケットの種類ごとに分離独立運用させるのが理想である。
これは、万が一ロケットが運用できない自体に陥った場合(地上爆発とか)に、他のロケットに影響を与えないためには、射場を複数運用しておくことが望ましいという考えであり、日本では旧NASDAの射場であったTNSCと旧ISASの射場であったUSC(当時は鹿児島宇宙空間観測所、KSC)の2ヶ所あるので、新しく作るというよりは、そこを有効に活用してリス分散をしていこうと考えるのが自然な流れだ。

 現在TNSCではH-IIAとH-IIBの打ち上げが行われている。一方USCではS-310やS-520の観測ロケットの打ち上げが行われている。もともとUSCはM-Vの射場であったので、廃止決定以降、衛星打ち上げロケットの運用はされていない。
 次期固体ロケットはM-Vの後継であるというのは、プロジェクトマネージャーの森田泰弘氏の発言で確認されている。M-Vの後継、全段固体ロケット、ISAS衛星とくれば、必然的に射場はUSCであろうという流れになっても不思議ではない。
 一方、TNSCはJ-1以降中型ロケット射場が未使用のまま放置されている。こちらは、事業断念したGXロケットの射場になる予定だったものだ。

 USCで打ち上げたらTNSCよりもコストがかかる、それを実行するためのインフラ整備にも金がかかる、というのもどうなのだろうか。
TNSC内の充填設備から島間港までの搬出入ルートを整備する必要があるということなのだろうが、橋など架け替える必要はない。内之浦では橋の上に鉄板の補強橋を設置して通過させている。その程度でいいのだ。日通さんが鉄道車両を運搬するときだって、道路に鉄板を設置するなどして運ぶのだから、年に1,2回しか行われないことに、なにも土木工事を行う必要はないのだ。
 火薬類の運搬に関して調べてみたが、以前言われていた"総量いくら以上は運搬不可"という項目は見当たらなくなっている。数年ごとに改定されており、削除された項目もあるので、どこかしらの段階で削除されたのだろう。M-Vの設計時にはあったはずなので、ここ数年というところか。道路幅に関しても"困難な場合はこの限りではない"と明記されているので、運搬問題はクリアされたという発言はここらへんの改定が行われたことでの発言と見て間違いなさそうだ。
 運搬する物体の大きさにも誤認識がある。H-IIAの空箱の大きさで語られているが、あんなに大きくありません。IHIエアロスペースが持ち込むSRB-Aのコンテナは一般国道をスイスイ走っていきます。私の自宅前の国道でも見ているんですから、問題ありません。
 さらに、固体燃料のことをわかっていない。火薬といっても、コンポジット燃料は"点火させるのが難しい"と言われる部類の火薬であり、花火やダイナマイトと同じと思っている感じがする。確かに事故が発生すれば大変だが、日通さん、そんなヘマしません。
 地元に対する運搬説明がない、といいますが本当でしょうか。毎年毎年打ち上げがある地域で、事前説明がないというのは信じられません。まして、漁業問題でこっぴどくやられた経験があるISASです。そのへんは抜かりなくやっているはずです。それに、今までだって運搬してたでしょうに。
 これは記憶違いかもしれないですが、TNSC内の充填設備付近に船積できる港を作るという話も聞いた気がしますが、もしそうだとしたら運搬に関する話は出ないでしょうなぁ。

 さらに、去年の陳情書。USCでの次期固体ロケット打ち上げの陳情文になっているそうだが、"次期固体ロケットとは開発中のGXロケットを指す"と明言されている。まてまてGXは最初から"固体ロケット"ではないぞ。だから去年の陳情書だろうが今年だろうが、次期固体ロケットといえば"イプシロン"のことを指すのだよ。

 さらにさらに、調査の結果"USC有利と言っていた打ち上げ能力の差はほとんどないことが判明した"という。ならば根拠資料を提示してほしい。どのような計算を行ったのか、どういう考察をしたのかが気になるところであり、そこから間違っている可能性もある。もちろん正しい可能性もあるのだが、どちらにせよ開示してくれないと判断できない。

 あと、モバイル管制についての誤認識。パソコン1台で遠距離から管制できるということだが、これはどちらかというと比喩に近い。実際は射場点検などの人員が必要だし、何かあった場合のことを考えると、今まで通りにブロックハウス内で管制を行う。ただ、そのブロックハウス内の機器がパソコン数台でまかなえるようになるよ、ということであり"理論的にはネット回線を使って管制できる"だけである。

他にも色々とあるが、結局のところTNSCでの打ち上げたいだけで理論を展開しているような感じがする。

長くなったので、また次のエントリに続きます。

※肝心なそのBlogはこちら
※火薬類取締法
※火薬類の運搬に関する内閣府令


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(1994/07)
的川 泰宣

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